HSPは、ずるいのか?|HSPを周囲に打ち明けるべきかについても解説

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HSPを言い訳にするのって、ずるいのかな。
職場やパートナーに伝えるべきなのかな?

こんな悩みを持っていませんか?

この記事を読むと、3つのことが分かります。

  1. HSPはずるくない (研究論文あり)
  2. HSPを職場に伝えるべきでない
  3. HSPをパートナーに伝えた方がよい

HSPは「真面目」「穏やか」「人の悪口は苦手」「マルチタスクは苦手」といった特徴があり、会社で生きづらい気質であると考えています。

HSPの気質のせいでうまくいかないことも多いけれど、HSPの理由にしていいのか?自分のせいなのか?と迷ったり、周りの人にHSPを理解してほしいけどわがままかな?と悩んだりしてしまいますよね。

強度HSPでサラリーマン歴10年以上、非HSPで(怖めの)奥さんと結婚8年の私が解説します。

目次

HSPはずるくないない理由

HSPは甘えではない

HSPはずるくありません。理由は、HSPが「先天的な気質」で「治すことが非常に難しい」ことだからです。

まず、「先天的な気質」であることの根拠を説明します。

HSPとは、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士がさまざまな調査や研究によって見つけた概念です。

ストレスを感じたときのノルアドレナリン分泌量の多さ(不安や恐怖に影響)、慢性的なコルチゾール(ストレスを受けると出るホルモン)の多さが引き起こしています。この現象は「乳幼児期」からすでに起きていることが調査から分かっています。

HSPと真剣に向き合おうと考えている方に向けてアーロン博士の著書の日本語版を載せておきます。

電子版はこちらです。

敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術【電子書籍】[ エレイン・N・アーロン ]

続いて、HSPの気質を「治すのが非常に難しい」という根拠についてです。非常に難しいというあいまいな表現であるのは、はっきりした判断が出ていないためです。ただ、治すのが難しいという意見が優勢になっています。

HSPについては病院や製薬会社のHPにて説明がされてます。例えば沢井製薬さんが運営しているサイトでは、HSPの治療はできないことが記載されています。

HSPは病気や障害ではなく、生まれ持った特性(気質)ですので、「治療する」ことはできません

引用元:サワイ健康推進課

表現が「治療できない」であって、変えることはできるのか?と疑問に思い、HSPに関する論文を探してみました。

教育心理学研究という学術団体の論文の中で、18歳以上の男女433名の調査にて「心理的な傷つきや落ち込みから立ち直す回復力」を後天的に高めることは難しいという結果を報告しています。
参考文献:教育心理学研究,2012,60,343-354 心理的敏感さに対するレジリエンスの緩衝効果の検討

以上から、HSPは、努力では変えられない気質と言えます。よって、HSPの気質に由来して生きづらさを感じることは、努力不足ではない、ずるくない、と言い切れます。

あわせて読みたい

HSPが仕事で苦労することについてまとめた記事です。

HSP自体は治せませんが、気質を理解したうえで対策を打つことは可能です。今後もHSPが生きやすくなるための記事を増やしていきます。

HSPは仕事ができないと言われる原因と具体的対策 -まとめ記事-

HSPはなぜ、ずるいと思われてしまうのか

HSPは甘えだと思われてしまう

理由は以下の3つです。

  1. HSPは少数派である
  2. みんながHSPを理解していない
  3. 努力すればできるという風土がある

それぞれ解説していきます。

理由① HSPは少数派である

日本人は多数派の意見に流されやすい国民性であるため、少数派であるHSPの気質が認められにくくなります。

アーロン博士の研究から、15~20%の割合でHSPがいることが分かっています。さらに、仕事や私生活で困るほどの強度のHSPとなると人数は減るので、明らかにHSPは少数派となります。

理由② みんながHSPを理解していない

HSPが努力では変えられない気質であると「理解」していないので、ストレスに弱いことやマルチタスクが苦手なことを、努力が足りないと考えてしまうからです

以前、ロンドンブーツの田村淳さんや、でんぱ組.incの最上もがさんがHSPであると発信し、HSPが認知され始めています。しかし、HSPを「聞いたことがある」人ばかりで、「理解」からは遠い状態です。

「うつ病」でさえ、本当に病気であると理解され始めたのも最近です(まだ理解していない人も多いですが)。HSPが理解されるまでは、まだまだ年月が必要になると思います。

理由③ 努力すればできるという風土がある

「自分の限界を決めてはいけない、努力すればなんでもできる」とそう思わなければならない風土が日本にはあるからです。

私は、人それぞれ能力や成長速度には差があるし、どんなに頑張ってもできないことはある、と認めてもいいと思っています。(私は仕事ができないポンコツなのですが、10年以上自分を変えようと努力してきましたが、やっぱりポンコツのままでした。) 

ですが、できないこともあると考えるのは、会社で少数派です。そのため、HSPの気質に由来する欠点は会社で許されないんです。

以上3つの理由からHSPはずるいと思われてしまうんです。とはいえ、 周りの人にHSPを理解してほしいなぁという思いもありますよね。ここから、HSPを周囲に打ち明けるべきかについて解説します。

HSPを周囲に打ち明けるべきか

HSPであると伝えるべきか

結論は下記のとおりです。

  • HSPを職場に伝えるべきではない
  • HSPをパートナーに伝えた方がよい

「なぜか」と「お薦めする伝え方」を解説していきます。

HSPを職場に伝えるべきではない

HSPと職場に言わない

今はまだ、HSPを打ち明けない方がよいです。

私自身、職場でHSPであることを少し打ち明けてみようかなと試みたことがありました。職場での生きづらさの一つである高圧的な上司との関係を緩められないかと考えたからです。

タイミングを見計らって「わたしけっこう繊細で気にしぃなんですよね」と伝えてみたところ、「そんなんじゃやっていけないよ」と一蹴。さらに、ことあるごとに「お前は打たれ弱いもんな」と言われる始末。

伝えるべきではなかったなと思いつつも、なぜ伝えるべきでないのか考察しました。

HSPを職場に伝えるべきではない理由

理由は3つです。

  1. 自分と違う感覚の存在を知らない人が多い
  2. 会社で偉くなっている人は非HSPが多い
  3. 会社はそんなに優しくない

それぞれ解説していきます。

理由①自分と違う感覚の存在を知らない人が多い

人それぞれ感覚は違います。同じ出来事があった時に、ポジティブにとらえる人、ネガティブにとらえる人と様々です。ですが、そもそも自分と他人との感覚の違いを比較しようと考える人自体が少ないのです。

そのため、自分と違う感覚を認めてくれる人が少ないのでHSPと伝えても理解してもらえません。

理由②会社で偉くなっている人は非HSPが多い

会社の人間関係でつらさを感じやすいのは、上司や先輩との関係性であることが多いでしょう。これは、会社で偉くなっている人は非HSPが多いため、HSPの気質を理解してもらえないことにあります。

会社で出世するために必要な能力は下記の通りで、非HSPの気質に対応しています。

・常にポジティブ

・声が大きい

・ストレスに強い人

・誘いを断らず上司とコミュニケーションが取れる人

※一部を抜粋しています。

引用元:会社で出世する為に必要な30の事 | シューワ (shu-wa.jp)

社内を見渡していただいても、偉い人は非HSPの人が多いのではないでしょうか。

そのため、非HSPの上司にHSPを伝えても、なかなか理解してもらえないのです。

あわせて読みたい

高圧的な人との関わりで悩んでいる方に向けて、こちらの記事を載せておきます。

HSPが仕事でマウンティングされやすい原因と実践的な対策

理由③会社はそんなに優しくない

みんなの気質に配慮しながら会社を運営するのは難しいんです。会社は利益を出さなければ継続していけません。利益を出すために、社員には社畜のごとく働いてもらうため、みんな心や時間に余裕がなくなってしまうんです。

今もしも、働きやすい会社にいるのならば、それはとても幸運なことです。HSPにとって働きづらい会社が多いのが現状だと思います。

HSPの気質はどうしても普通の会社では欠点になりがち。会社は優しいだけでは継続できないので、欠点の多いHSPが認められにくいんです。

以上のことから、 HSPを職場に伝えるべきではない と言えます。もちろん、気心しれた同僚や同じHSPかな?と思う人がいたら話してみるのはよいと思います。

HSPをパートナーに伝えた方がよい

パートナーにHSPと伝える

パートナーにHSPを理解してもらうと、お互いにとても生きやすくなります。

奥さんはバリバリの非HSPです。(本人は最近、刺激探求型のHSPでは?と言っていますが)

そのため、私との生活の中で強度HSPの気質に由来することでイライラさせることも多かったのですが、奥さんがHSPを理解したことでお互いの関わり方が変わり、以前よりも穏やかに生活できるようになりました。

HSPをパートナーに伝えた方がよい理由

非HSPの奥さんは、私をHSPだと知ったことで「感じ方考え方も違う人」なんだと当たり前のことだけど再認識できたことで、イライラが減ったと言っています。

今までは「自分の感じ方考え方を分かってくれるはず」という思いから『なんで分かってくれないの?』と思いイライラしていました。そして、HSPを知ることで以下のことに気づいたとのこと。

  • 『自分の思い・考え・気持ち』は伝えないと伝わらないこと
  • 『自分とは違う感じ方・考えの人』仲良くやっていくには工夫が必要

そして、私の見え方、関わり方が変わることで、お互いが穏やかに生活できるようになりました。

HSPをパートナーに伝える方法

第三者のHSP情報をパートナーに伝えてください。具体的には「youtube動画」「HSP関連書籍」をお薦めします。

ご自身がパートナーに「私HSPなんだ!理解して!」と伝えてしまうと、弱さやイライラさせてしまうことを認めてくれ!と権利ばかり主張しているように聞こえてしまい、受け入れにくくなってしまいます。(相手が、すっと受け入れてくれそうな場合には、直接伝えるのもよいです。)

パートナー自身が、自然とHSPの情報に触れるように導くのがよいです。

具体的に伝える方法① youtubeを見る習慣があるひと向け

オリエンタルラジオのあっちゃんの「youtube大学」がおすすめです。RyotaさんなどHSPに関連する動画は多数ありますがHSPに特化したチャンネルでは、あからさま過ぎます。

一緒にいるときに、youtube大学をいくつか見た後に、下記チャンネルを見てみましょう。

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著者

こんにちは、ねこまるです。
強度HSPで、2021年6月に適応障害になり休職中です。10年以上、化学メーカーでサラリーマンをしてきた経験を活かして、仕事が辛いHSPさんの悩みを解決する記事を書いています。ブログのコンセプトは「精神論やきれいごとで状況は変わらない。具体的に行動に移せる解決法を提案する」こと。

皆さんの人生のつらさを減らせるように、心を込めて記事を書いていきます。

本ブログの引用に許可はいりません。ただしこのページにリンクを張っていただきますようお願いします。

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